基本情報
- 作品名:バジリスク ~桜花忍法帖~
- 原作:山田正紀(小説版を基にしたコミカライズ)
- 漫画:シヒラ竜也
- キャラクター原案:せがわまさき
- 出版社:講談社(ヤングマガジンサード連載)
- ジャンル:忍者アクション、バトル、ダークファンタジー
- 巻数:全7巻
本作は、山田風太郎の「甲賀忍法帖」をルーツに持ち、せがわまさきの「バジリスク ~甲賀忍法帖~」に続く新世代の物語です。前作から数十年後の世界を舞台に、新たな忍たちが過酷な運命と戦いを繰り広げます。
あらすじ
徳川の世となり、かつての甲賀と伊賀の壮絶な争いは歴史の中に刻まれました。時は流れ、平穏を保つかに見えた時代に再び忍たちが表舞台へ。
物語の中心は、甲賀と伊賀の血を継ぐ若き世代の忍たちです。彼らは「桜花忍法帖」と呼ばれる新たな因果の渦に巻き込まれ、権力者の陰謀や宿命の対立に翻弄されます。
主人公たちは、己の信念・愛・復讐を胸に、命を懸けた忍法合戦へと挑んでいきます。残酷で美しく、時に切ない物語は「忍法帖」シリーズならではの血脈の継承と悲劇を描き出しています。
キャラクターの魅力
甲賀八郎
甲賀五宝連を束ねる若きリーダー。誇り高く、仲間思いでありながらも、忍の宿命に翻弄される姿は前作の弦之介を思わせます。血に縛られた忍でありながらも、人としてどう生きるべきか葛藤する姿に心を打たれます。
伊賀響
伊賀の血を引く少女であり、本作のヒロイン。柔らかい雰囲気を持ちながらも、戦いの中で逞しく成長していきます。甲賀八郎との関係は、前作の弦之介と朧を彷彿とさせる宿命的な結びつきを感じさせます。
その他の忍たち
桜花忍法帖では、従来以上に多彩で奇抜な忍法を使うキャラクターが多数登場します。肉体変形、幻術、特殊な武器など、忍法合戦のアイデアはさらに進化し、読者を驚かせ続けます。
絵柄と雰囲気
シヒラ竜也による作画は、ダークで重厚感のあるタッチと、繊細で美しいキャラクターデザインが融合しています。
特にバトルシーンは、忍法の迫力を余すことなく表現しており、血しぶきや刃のきらめきがリアルに描かれています。
また、背景に描かれる桜の花びらや日本的な風景は、物語の美しさと儚さを強調しています。
印象に残ったシーン
- 甲賀八郎と伊賀響の初めての邂逅
お互いの存在に引き寄せられながらも、血で血を洗う因縁を背負う二人。この出会いのシーンは物語全体のテーマを象徴しています。 - 忍法合戦の壮絶さ
忍たちが命を懸けて放つ技の応酬は、本作最大の見どころ。異形ともいえる肉体変化や常人離れした能力が、毎回読者に衝撃を与えます。 - 裏切りと忠義の狭間
仲間を信じるか、任務を果たすか。忍の世界では常に残酷な選択が迫られます。心を揺さぶる名シーンの数々は、読み進めるほど胸を締め付けられるでしょう。
こんな人におすすめ
- 忍者アクションや和風ファンタジーが好きな人
- 血塗られた宿命や愛憎劇を描く重厚なストーリーを求める人
- 「甲賀忍法帖」「バジリスク」ファンで続編的な物語を楽しみたい人
- アニメ化作品が好きで、忍法帖シリーズを深く掘り下げたい人
類似作品
- バジリスク ~甲賀忍法帖~(せがわまさき)
本作の直接の前作であり、忍法帖シリーズを語るうえで外せない作品。 - 魍魎戦記MADARA
和風ファンタジーと超常バトルの融合。忍法帖好きにおすすめ。 - 忍者武芸帳(白土三平)
忍者を題材にした古典的名作。忍の世界観を理解するのに最適。
Q&A
Q:前作「バジリスク」を読んでいなくても楽しめますか?
A:大丈夫です。前作を知らなくても新しい登場人物で物語は進みます。ただ、前作を読むことでより深い理解と感動が得られます。
Q:どのくらいの巻数ですか?
A:全7巻で完結しており、比較的短いボリュームで濃密な物語を楽しめます。
Q:アニメ化されていますか?
A:はい、2018年にアニメ化され、作画・音楽ともに高評価を得ました。
まとめ
「バジリスク 桜花忍法帖」は、血塗られた忍の宿命を描きながらも、美しく儚い愛と絆を紡ぎ出す作品です。
甲賀と伊賀という宿命の対立を受け継いだ若き忍たちの戦いは、前作を知るファンはもちろん、新規読者にも強烈なインパクトを与えるでしょう。
忍法帖シリーズの魅力を現代的な感覚で蘇らせた本作は、忍者アクション漫画の新たな金字塔と言えます。
購入リンク
作者の他作品
- 山田正紀:原作小説『桜花忍法帖 バジリスク新章』
- 山田風太郎:甲賀忍法帖シリーズ
- せがわまさき:バジリスク ~甲賀忍法帖~(前作漫画)
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