プラチナエンド(Platinum End)【徹底紹介レビュー】

ファンタジー

基本情報

  • タイトル:プラチナエンド(Platinum End)
  • 作者:大場つぐみ(原作)、小畑健(作画)
  • 出版社:集英社
  • 掲載誌:ジャンプスクエア(2015年~2021年連載)
  • 巻数:全14巻完結
  • ジャンル:ダークファンタジー、バトル、サスペンス
  • メディア展開:TVアニメ化(2021年~2022年放送)

「DEATH NOTE」「バクマン。」の黄金コンビによる三作目。テーマは「生と死」「神の選定」「人間の欲望」と非常に重く、哲学的な問いを突きつける作品です。


あらすじ

主人公・架橋未来は両親を亡くし、引き取られた叔父と叔母から虐待され、絶望の日々を送っていました。生きる意味を見失った未来は、ついにビルの屋上から飛び降ります。

しかし、その瞬間に現れたのは一人の天使。天使は未来に「翼(自由の象徴)」と「赤の矢(愛の象徴)」を授け、さらに強力な力を与えました。未来は再び生きる選択をし、同時に「次期・神候補」の戦いに巻き込まれていきます。

神候補に選ばれた人間はそれぞれ天使と組み、特殊な能力を駆使して戦い、生き残った一人が新たな「神」となる…。
「誰が神にふさわしいのか」「人間は何のために生きるのか」という究極の問いに挑む物語が展開されていきます。


キャラクターの魅力

架橋未来

  • 両親を失い、虐待を受けて育ったため、生きる気力を失っていた少年。
  • 天使との出会いにより「翼」と「矢」を授かり、生きる意志を取り戻す。
  • 誰かを傷つけるためではなく、「幸せになりたい」という純粋な願いを胸に戦う姿が魅力。

天使・ナッセ

  • 特級天使で、未来に能力を与えた存在。
  • 無邪気で天真爛漫だが、どこか人間の価値観とズレた言動をする。
  • 未来を励まし導くが、その無垢さは時に恐怖すら感じさせる。

神候補たち

  • 未来と同じく神候補に選ばれた人々。
  • 強欲な者、正義を掲げる者、絶望した者など、様々な人間模様が描かれる。
  • それぞれの「欲望」や「生き方」がストーリーを大きく動かす。

絵柄と雰囲気

  • 小畑健ならではの超美麗な画力で、キャラクターや天使のデザインは圧倒的な存在感。
  • 戦闘シーンはスピード感があり、光と闇のコントラストが鮮烈。
  • 登場人物の心理描写は緻密で、読者に強い没入感を与える。
  • ダークで哲学的なテーマながら、絵の美しさが読む手を止めさせない。

印象に残ったシーン

特に心を打つのは、未来が絶望の淵から「生きたい」と心から願う瞬間です。

天使から能力を与えられた後も、最初は戸惑いと恐怖が勝っていました。しかし、自分を虐げてきた人間に「赤の矢」を放ち、支配できると知ったときも、未来は決してその力を乱用しませんでした。

彼が初めて「幸せになりたい」と強く願い、立ち上がる場面は、読者に強烈な感動とメッセージを与えるシーンです。


こんな人におすすめ

  • ダークなファンタジーや心理戦が好きな人
  • 「DEATH NOTE」「コードギアス」のような頭脳戦・哲学的テーマが好きな人
  • 綺麗な画力で描かれるバトルを楽しみたい人
  • 人間の欲望や「生きる意味」を深く考えたい人

類似作品

「プラチナエンド」と世界観やテーマが近いおすすめ作品はこちらです。

  • DEATH NOTE:命を操るノートを巡る天才たちの心理戦。大場つぐみ&小畑健コンビの代表作。
  • バクマン。:同じ作者コンビによる漫画家成長譚。直接の類似作品ではないが、創作や人生観のテーマは共通点あり。
  • 未来日記:未来を記録する日記を持つ者同士が戦い、最後に生き残った者が神となるデスゲーム作品。
  • コードギアス:ギアスの力を持つ少年が革命を起こす物語。能力と欲望の使い方が「プラチナエンド」に近い。
  • エルフェンリート:人間の暗黒面と「力を持つ者の孤独」を描いたダークファンタジー。
  • 約束のネバーランド:絶望の環境から抜け出そうとする子供たちの物語。サスペンスと心理戦要素が共通。
  • ダーウィンズゲーム:特殊能力を駆使したバトルサバイバル。
  • シグルイ:人間の欲望と死生観を徹底的に描いた作品。重厚な哲学的テーマを好む人におすすめ。

Q&A

Q:グロテスクな描写は多いですか?
A:直接的な残虐シーンは「DEATH NOTE」ほどではありませんが、心理的に重い描写が多いです。

Q:アニメと漫画の違いは?
A:アニメは原作を忠実に再現していますが、やや駆け足気味。漫画で読む方が心理描写やテーマが深く伝わります。

Q:ハッピーエンドですか?
A:ラストは賛否が分かれる結末です。人によっては救いと感じ、また人によっては虚無感を覚える、まさに哲学的な終わり方になっています。


まとめ

「プラチナエンド」は、単なるバトル漫画ではなく、「人間はなぜ生きるのか」「幸せとは何か」「神の存在は必要か」といった問いを投げかける深い作品です。

大場つぐみ&小畑健コンビらしい緻密なストーリーと圧倒的な画力が融合し、読む者に強烈なインパクトを残します。
絶望から希望を掴む主人公の姿に勇気をもらえると同時に、読者自身も「自分にとって幸せとは何か」を考えさせられるでしょう。

心理戦・頭脳戦が好きな方、ダークファンタジーに惹かれる方にはぜひ手に取ってほしい名作です。

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