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基本情報
- タイトル:此花亭奇譚(このはなていきたん)
- 原作/漫画:天乃咲哉
- 出版社: 幻冬舍Comics(新装版・再連載版)
- 巻数:全2巻
- ジャンル:百合、和風ファンタジー、日常・癒やし寄り
- アニメ化:「このはな綺譚」が2017年にテレビアニメ化、全12話
あらすじ

舞台は、「此花亭(このはなてい)」と呼ばれる温泉旅館。ここは 此花亭奇譚 の名が示す通り、平凡な旅館ではなく、霊的・幻想的な風情や神秘性を帯びた場所である。物語は、柚(ゆず) が、比丘尼に連れられて、此花亭で奉仕者(仲居・女将見習い/接遇者)として働き始めることから始まる。
柚は、人間なのか妖かしなのか定義しづらい立ち位置にいる存在として描かれ、彼女自身が「普通」に暮らしたいと思いつつも、彼女のまわりには神話や霊的存在、狐の眷属らしき者たちなどが関わる旅客、そして非日常が染み込む出来事がしばしば起こる。
此花亭は彼岸と此岸のあいだ、現世と霊界の境界的な性質を持つ場所ともされ、宿泊客には神、妖、霊、異形の者なども含まれる。仲居たち(多くが“狐娘”の姿をとる)が訪れる客をもてなし、また各種異なる世界観や背景を持つ来客たちとの交流を通じて、柚や仲居たちの過去、悩み、そして成長が描かれていく。
日常を描きつつ、ときに怪異的な事件が起こったり、幻想的な情景が挿入されたりして、心温まるエピソードと切なさが混じりながら物語は進む。
キャラクターの魅力
以下、主要キャラとその魅力を挙げてみる。
可愛らしいキャラクターが多い。
柚(ゆず)
本作の主人公。容姿は獣の耳とロングのきつね色の髪を持っている、表紙に写る女の子。
性格としては少し不器用なドジっ子であり、礼儀や立ち振る舞いを学ぼうと努力する純粋さがある。一方で、旅館の仲居としての振る舞いや、霊的存在たちとの関わりのなかで揺らぎや葛藤を抱える存在。旅館では新入りとして懸命に働く姿が見れる。
八百比丘尼(やおびくに)
柚子を雪の中から拾い上げ、此花亭に送った人物。
容姿端麗で柚子の名付け親であり、育ての親。おそらく僧侶と思われる。耳が生えていない為、人間として出てくる人物。
仲居・狐娘たち
柚を取り巻く仲居スタッフたちも、個性と背景を持つキャラクターたち。
例えば、先輩仲居である皐(さつき)や柊(ひいらぎ)、棗(なつめ)など、立ち位置や性格、信念が異なるキャラがいる。これらのキャラ同士の関係性や会話、互いの背景が物語を豊かにしている。
客人・外部キャラクター
此花亭に来る旅客や、神、妖、霊のような存在も、単なるモブではなくエピソードの鍵を握る存在になることが多い。彼らとの交流が、柚および狐娘たちの内面や世界観を浮かび上がらせる。
作品の見どころとテーマ

1. 和の情緒と幻想的な世界観
木造の廊下、灯籠の明かり、湯けむりに包まれた夜――
一つひとつの描写が丁寧で、まるで絵巻物のような美しさを感じる。
「日常」と「異界」の狭間に漂う空気が独特の静寂を生み出している。
実際の私たちの世界で伝えるならば、「銀山温泉 伝統の宿 古山閣」「道後温泉」のような立派な温泉や旅館といった雰囲気を醸し出している。
2. 心を癒やす“おもてなし”の物語
此花亭は単なる宿ではなく、「心を清める場所」。
訪れる人々は、過去の後悔や悲しみを抱えており、柚や仲居たちとの出会いがその心を少しずつほどいていく。日本のおもてなし文化を踏襲していている背景が伺える。
3. 境界とアイデンティティの物語
「人か妖か」「生か死か」「現実か幻想か」――
曖昧な世界を生きる登場人物たちが、それでも前を向いて生きようとする姿が印象的。
静かだが哲学的な余韻を残す。
絵柄と雰囲気
作画スタイルは、和風・幻想的な要素を取り込みつつ、柔らかな線、抑制の効いた色彩が特徴的。背景や景物の描写にも細かさがあり、温泉旅館の木造建築、庭木、灯篭、夜景、湯煙など、和の風情を感じさせる描写が多用される。
また、キャラクター表情や間の取り方に余裕を持たせた構図やコマ割りが見られ、静謐な時間を感じさせる演出が得意である。幻想的、あるいは少し異界的な情景を描く演出も挟まれ、日常と非日常の狭間のような空気感が醸成されている。
全体的な雰囲気は「静かで優しいが、裏側で何かを孕む」— 癒やし系でありながらも、どこか不思議さ、切なさを感じさせる作品だ。
印象に残ったシーン
以下は、多くの読者・視聴者に印象を残すであろうシーン例:
- 柚の初出勤・緊張の儀式
柚が此花亭で仲居見習いとして初めて客を迎える場面。その緊張感と不慣れさ、そして周囲の狐娘たちの助言や反応が重なって、読者に強く印象付けるエピソード。 - 夜の庭での幻想的なやりとり
月夜や灯篭の光の下、旅館の庭の風景を背景に、妖的・神秘的な客との会話や出会いが描かれる場面。静寂と異界性が交錯する描写が印象深い。 - 来客の心の闇や悩みとの対話
ある客が抱える過去や後悔、願いを持ち、此花亭での交流を通じて救済されたり変化したりするエピソード。柚や狐娘たちが相手に寄り添う描写が、読者の心に残る。現実世界の対人関係にも通じる、“傾聴”の重要性が描かれたエピソードと言える。 - 柚の過去・出自が明らかになる瞬間
雪の中で拾われた過去や、八百比丘尼との関係、自己認識が揺らぐ瞬間。普段は穏やかな物語が、少し影や陰を感じさせる転換点になる。
こんな人におすすめ
- 和風・和モノファンタジー・和風幻想世界が好きな人
- 日常系や癒やし系、静かな雰囲気重視の作品を好む人
- 非日常要素と人間ドラマが混ざるストーリーを楽しみたい人
- 百合要素を含むキャラクター同士の関係性にも惹かれる人
- 美しい情景描写や心象風景、静かな余白を味わいたい人
逆に、激しいバトルやハードSF、過度なアクション・暴力描写を求める人にはあまり向かないかもしれない。
類似作品

- 『夏目友人帳』
和風の妖怪・異界要素と、人との関係を温かく描く作風が通じるところがある。 - 『蟲師』
静謐な語り口、自然と異界との交錯を感じさせる描写、余白を多く取る作画演出などが近い。 - 『聲の形』(映画・原作)
内面の揺らぎ、表現、他者との関係を丁寧に扱うストーリー性という点で。 - 『ふらいんぐうぃっち』
日常と魔法要素の融合、穏やかなテンポ感、キャラクターのやり取りを楽しむ要素。 - 『月とライカと吸血姫』
幻想性とキャラクターの内面葛藤―ただしテイストはよりSF寄りではあるが、静かなドラマを楽しみたい人には手が伸びやすい。
Q&A
Q:この作品は何巻まで出ていますか?
A:2025年時点で、2巻です。
Q:タイトルが「此花亭奇譚」と「此花綺譚」の二通りありますが、違いは?
A:初期連載時は「此花亭奇譚」というタイトルで始まりましたが、再連載時・新装版以降は「このはな綺譚(このはなきたん)」と改題されています。
Q:アニメは何話ありますか?
A:テレビアニメは全12話で放送されました。
Q:ジャンル・テーマ性は?
A:表面的には「癒やし系・日常系・和風ファンタジー」に属しますが、裏にはアイデンティティ、境界、他者との関係、過去との葛藤といったテーマを含む深みも持っています。
Q:百合要素はありますか?
A:はい、登場キャラクター間の友情・感情の密やかな交流、特に女性同士の感情描写が濃やかに描かれており、百合要素を感じる方向性があります。
まとめ
『此花亭奇譚/このはな綺譚』は、温泉旅館という和風・幻想的空間を舞台に、妖/霊性を帯びたキャラクターたちとの交流を通じて、静かな感動や余韻を呼び起こす作品です。
主人公・柚を中心に、狐娘の仲居たち、それぞれの悩みや過去を抱えた来客たちとの心の触れ合いが丁寧に紡がれており、「日常」と「異界」の境目を行き来する物語の語られ方が魅力です。
派手なアクションや衝突よりも、情景・会話・心情を大事にする作風なので、静かに心に染みるタイプの作品を求める人に強くおすすめできます。
全体を通しての感想
此花亭奇譚の中に出てくるキャラクター達には癒されますね。世界観も湯煙漂う美しい昔ながらの旅館の風景。その中で様々な人と出会い、一生懸命に働く主人公。新人として初めて仕事を行った時の自分を思い出させてくれます。様々な人たちとの出会いの中で成長し、考え方を学んでいく主人公はとても応援したくなります。中にはこんなお客さんいるよな~と感じるような場面も出てきて、立ち振る舞いや対応の仕方を徐々に学んでいくんだろうなと感じました。このような職場であれば働いてみたいと思いますね。癒しと共感を感じる作品でした。
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