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基本情報
作者:さいとー栄
ジャンル:近未来SFロードムービー型の漫画作品
掲載誌:電撃マオウ(KADOKAWA刊)
ポストアポカリプス×日常系という独特な立ち位置で、文明が崩壊した後の日本を舞台に、二人の少女がオートバイで各地を巡り、かつての世界の名残を記録しながら旅する物語です。
全体的には終末世界という厳しい舞台設定でありながら、キャラクター同士の緩やかな会話や、美しい風景描写、そして「誰もいない日本」を巡る旅情が強調されています。そのため、絶望的なストーリーではなく、むしろ静かで哲学的な読書体験を与えてくれる作品として人気を集めています。
⇓本作品より引用。
「うんっ、海釣り気に入りました」
世界の終末で主人公達以外がいない世界。
隔離されていた主人公が外に出て言ったセリフですね。
普通の言葉ですが、この世界を楽しむ様子が分かります。
「うんっ、この記事/作品気に入りました!」と最後まで読んでもらえると嬉しいです。
あらすじ

物語の舞台は、人類がすでに滅びに近い状態となった未来の日本。大都市も田舎町も人影はなく、建物や交通網だけが残され、自然が少しずつ人の世界を覆い始めています。そんな中で登場するのが、二人の少女・ヨーコとアイリ。
二人はバイクに乗り、誰もいなくなった日本を巡る「ツーリング」を続けています。彼女たちは時折立ち寄る場所で食料や物資を調達し、崩れた街や静まり返った観光地を見つめながら、かつての人々の暮らしに思いを馳せます。
ストーリーは大きな事件や戦闘ではなく、淡々とした移動と会話が中心です。しかし、廃墟に佇む観覧車や、草に覆われた駅、波打ち際に沈む街など、描かれる風景が圧倒的なリアリティを持っており、「人類の不在」を逆説的に強く感じさせます。その中で二人が食事をしたり、写真を撮ったり、小さな笑いを交わしたりする姿が、温かさを添えています。

いざ!世界を旅するんだ
誰もいない世界でも楽しんでいこう~
キャラクターの魅力
ヨーコ
アイリと共に旅をする少女。天真爛漫で感情表現が豊か。風景や食事に対して素直に驚きや感動を示し、物語に柔らかさを加えています。彼女の存在があることで、終末の世界も決して無機質ではなく、彩りと温かさが残されていると感じさせてくれます。
アイリと二人の関係性は単なる友人以上、家族未満の絶妙な距離感を持っており、互いに補い合うようなバランスが物語を支えています。
アイリ
物語の中心人物のひとりで、冷静で少し大人びた印象を持つ少女。バイクの操縦や物資の調達など、旅の実務面を多く担っています。彼女の落ち着いた雰囲気は、世界の静けさと共鳴していて、読者に安心感を与えます。そして、彼女の腕はプラズマ砲を搭載しており、世界観のSF要素を象徴しています。
終末世界で生きる“静かな幸福”

終末という極限の設定ながら、作品が伝えるのは「人間が自然と共に生きる感覚」。人類が残した滅びかけた文化の中で懸命に幸福に生きる感覚です。戦車や軍艦、バイク、人型のロボットなど高度な文明が滅びた後に残るのは、人が自然と共に生きようとする本能です。
『終末ツーリング』は、終末世界の中に“人間らしさ”を見出す作品です。
無人の風景の中で食べる一杯のラーメンや、語られない過去の痕跡が、私たちの日常の尊さを再発見させてくれます。
絵柄と雰囲気
さいとー栄の絵柄は、緻密な背景描写とシンプルで柔らかいキャラクターデザインが特徴です。建物の廃墟や自然に侵食された街並みはリアリティがあり、読者を「終末後の日本」へと引き込みます。一方でキャラクターの表情は丸みがあり、親しみやすいタッチで描かれるため、作品全体が冷たくなりすぎません。
また、コマの使い方も静寂を強調する演出が多く、セリフのない大ゴマで広大な風景を見せる構成は、読者に「旅をしている感覚」を強烈に与えてくれます。

世界観がすごくいいよね
背景が丁寧に描かれているから、荒廃した日本の残された文化を感じることができる作品。
印象に残ったシーン
いくつか象徴的な場面があります。
- 廃墟となった観光地の観覧車を背景に、二人が食事をするシーン。人がいなくても、かつての賑わいを想像させます。
- 海で語るシーン。過去と現在のコントラストが強く胸を打ちます。記憶を失ったロボ父さんの鈴木一郎と出会い、その家族との思い出が悲しく切ない。胸を締め付けられます。
- 旅の合間に二人がインスタントラーメンを分け合って食べる場面。日常的な行為が、終末世界では特別で尊いものに見える演出です。
これらのシーンは「何もない世界」に残された「小さな幸福」を象徴しています。
こんな人におすすめ

- ポストアポカリプス作品が好きだが、重苦しい展開は避けたい人
- 旅やツーリング、ロードムービー的な雰囲気を楽しみたい人
- 美しい背景画と日常的な会話のコントラストを好む人
- ゆるやかな時間を過ごしたい人
特に『少女終末旅行』や『ヨコハマ買い出し紀行』が好きな読者には強くおすすめできます。
類似作品
- 『少女終末旅行』つくみず:人類滅亡後を生きる二人の少女の旅路を描いた作品。雰囲気やテーマに近い。
- 『ヨコハマ買い出し紀行』芦奈野ひとし:穏やかな終末後の世界で営まれる日常を描いた名作。
- 『サクラクエスト』:旅と地域をテーマにした日常物語で、舞台を巡る感覚が似ている。
- 『スーパーカブ』:バイクと少女というモチーフで重なる部分がある。

どんな場所でもどんな時代でも仲間がいればいつでも楽しいよね
素敵な世界をヨーコやアイリと一緒に楽しもう!
Q&A
Q1. 『終末ツーリング』はどんな終末を描いているの?
A1. 世界崩壊の詳細な原因は描かれず、人がいなくなった後の静寂が中心。あえて説明を省くことで、普遍的な余韻を生んでいます。
Q2. バイクの描写はリアル?
A2. はい。ツーリング漫画としての側面もあり、バイクの造形や走行シーンはしっかり描かれています。
Q3. シリアス?それとも癒し系?
A3. 基本的には癒し系。絶望ではなく「静かな旅情」が強調されています。
まとめ
『終末ツーリング』は、文明が崩壊した後の日本を舞台にしながらも、決して暗いだけではない物語です。二人の少女の穏やかなやり取り、そして圧倒的に美しい背景描写が組み合わさり、「滅びの中にある安らぎ」を見事に表現しています。
ページをめくるごとに、読者は自分自身もツーリングをしているかのような感覚を味わえるでしょう。終末を描きながら「今をどう生きるか」を考えさせる本作は、静かに語りかけてくる一冊として心に残る作品です。

崩壊した世界を旅して、前向きに生きている主人公たちはとってもいいね
読者もこの世界を楽しめるように一緒になってツーリングしている気持ちになれるね。
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作者の他作品
さいとー栄の代表作は『終末ツーリング』がメインですが、イラストや短編読み切りなども発表しており、緻密な背景と温かいキャラ描写の両立は他作品でも健在です。
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